グルームヘイヴン・フォーゴットンサークルズ拡張の感想

というわけでフォーゴットンサークルズ拡張の全シナリオをクリアしました。
感想的なものを思いつくままに書いてみたいと思います、

ストーリー

基本セットのストーリーの後日談という位置付けです。
蛇足と言えば蛇足なのですが、たまに出てきてシナリオを進めてくれる便利キャラだけどそれだけ(ただし口は悪い)という程度に留まっていたヘイルにバックグラウンドというか人間関係が追加されて、物語に厚みが出たと思います。一方、主役のカサンドラの方はあまり話広がる前にラスボス戦になってしまった印象です。おそらくは彼女にとってバスティアンそのものはすでに終わった話、であるのが原因かもしれません。ベースとなるストーリーラインが1本道なのは拡張の規模から言って当然なのですが、途中の分岐がただ関係のない複数のエピソードをぶつ切りにしているのは少しもったいないと思います。

シナリオ

ハック&スラッシュ型のシナリオも単純な脱出シナリオもほとんどありません。その代わりマップ内のお使いがちょっと多いんじゃないと思わなくもないです。
基本セットのシナリオと比べるとマップは広めで、敵もやや強く難易度は高いのですが、バランスはちゃんと取ってあります。作者も2~4人どの人数でも大抵の組み合わせでたとえレベル1でもノーマルなら勝てるようにテストプレイしている(ただし2人でサポート=サポートのペアは無理かもしらんね)と言っているだけのことはあります。
ただ1回のプレイ時間が長くなるのは基本セットと比べるとプレイアビリティを下げています。パラグラフブック形式でセットアップ時に必要なコンポーネントが分からないとか、謎がちょっと理不尽というか答知ってると簡単すぎとかの欠点もあります。
ラスボス戦のギミックはまさにみんなが望んでいたものと言えるでしょう。たぶん将来の拡張もこれが標準にならねばならぬ、というか基本セットのグルームもこのシステムで出し直して欲しいくらいです。コストかかりそうなので1拡張にそんな何人も入れられないとは思いますが。

ディバイナー

FC拡張の全ストーリーに参加する必須クラスであり、このクラスの完成度が拡張全体の評価を決める地位にあるのですが、残念ながら練り込みが足りません。
原因はアイディアの盛り込みすぎだと思います。ディバイナーができることは、テレポートによる高速移動や敵の再配置・リフトによる状況に応じたバフとデバフの切り替え・リジェネつきのヒール・敵味方のデッキ操作・敵の修正デッキへのカース埋め・遠距離攻撃と多岐に渡るのですが、一強クラスになるの避けたためかどれも器用貧乏の域に達しない貧弱な性能に留まっています。
実際のところ、あまり仕事はできないのに、多くのシナリオの勝利条件ではテレポートしてスイッチを押すだけの仕事がさらに追加されます。結果として、せっかくの様々な能力をあまり生かすことなくロングレストするマシーンになることが多く、主役としての魅力には欠けていると言わざるをえません。
様々な可能性を持っている割には、基本的にはカース埋めビルド以外では戦闘にはあまり貢献できません。そのカース埋めビルドにしても、タンクとアタッカーが別にいないと戦いは終わらないというパッシブなサポート役となるでしょう。ソロシナリオや高レベルカードでの成長余地を考慮するとリフトビルドが推奨されているようにも見えるのですが、1ラウンドしか効果が持続しないリフトの制限から序盤では活躍の機会が制限されます。
フロストヘイヴンのクラスで唯一プレビューが公開されているデスウォーカーが、同様のテレポーターで、かつシャドウというリフトに似たギミックを持っています。おそらくデスウォーカーはアタッカーっぽいのでディバイナーとはかなり様子が違いそうですが、シャドウはリフトと違って置く機会は少なめ、その代わり威力は大きめで一度使用したシャドウは除去される、という仕組みになっていてリフトの物足りなさを改善していそうで期待できるかもしれません。

まとめ

拡張第1弾ということで、試行錯誤なところも多かったと思います。おそらくスタッフはジョーズオブライオンとフロストヘイヴンにかかりきりになっていると思われ、サポートも十分とは言えないです。荒削りなところはもちろんありますが、グルームヘイヴンのシステム上での新しい挑戦という点では大きく評価できます。スタッフは不評な点は将来の拡張では改善する(例えば戦闘中に暗号解くとかは止める)と公言しているので期待を込めて⭐⭐⭐⭐といったところ。
思いついたら何か書き足すかも。

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