K川氏の自宅ゲーム会に参加しました。参加者3人。
The Cost (Spielworxx)・Maglev Metro (Bézier Games)・Praga Caput Regni (Delicious Games/数寄ゲームズ)をプレイしました。
ザ・コストはアスベストを採掘して売って儲ける経営ゲーム。アスベストを生産するときは安全衛生対策にお金をかけるかかけないかの選択肢があり、多額の資金を投じて利益を減らすか、何もしないで労働者を死なすかを選ぶことができるというブラックな設定です。なお労働者が死んでも何のペナルティもなく、代わりの労働者を実質無償で何人でも雇うことができるので、鉱山や工場の周囲には死体の山が築かれます。安全衛生対策をする場合は遺族年金として死人の分も払わなければならないので、序盤のお金のないうちはコストを圧縮して後で余裕が出てきたらお金をかけるようにする、というのもやりにくくなっています。
というわけで世界中で野放図に労災が起きまくるわけですが、あまり死人の数が増えると政府の規制でアスベストの生産も販売も禁止されてしまうので、最後は規制されるかされないかのチキンレースまで発生するという始末。
規制を避けるべく健全経営してもお金がかかる一方で結局はブラック企業がのさばる余地を作るだけという構造で、ゲームとしては難がありますがテーマ性は高い作品です。1位タイ。
マグレブメトロは地下鉄路線を建設してピックアンドデリバリーする見た目通りのゲーム。線路タイルが透明アクリル板になっていて、他のプレイヤーの路線と併走するも交差するも自由自在という、なかなかに工夫されたコンポーネント。輸送した乗客を個人ボードに配置することで、自分のアクション効率が強化されていくのも、拡大再生産と技術開発要素をスマートにまとめた秀逸なシステムです。
というわけでルール聞いたところまではなかなか面白そうで実際面白いは面白いのですが、透明アクリル線路タイルシステムのせいで他プレイヤーの路線の存在が何の障害にもなっておらず、行きたくなった都市にはいつでも必要な線路を引けてしまうので、ネットワークビルディングがゲームとしての意味をあまり持っていません。見えている乗客をひととおり運び終えたら、後は自分の欲しい色の乗客を念力で袋引きできるかどうかのゲームになってしまい、後半に失速感があるのは否めないでしょう。
乗客にはロボットと人間がいて、ロボットはアクション効率の改善、人間は得点効率と役割分担されています。できるだけ速く人間を4色コンプリートできるような態勢を作るのが肝要そう。負け。
プラハ王国の首都は数奇ゲームズの日本語版。コンポーネントには言語依存性ありませんが。
プラハの街の建設に参加してアクション選択でリソースエクスチェンジしてポイントサラダするゲーム。特徴は円卓にアクションタイルが並んでいてくるくる回ってくる回転寿司システム。一度選択して円卓に戻された直後のタイルを取るには追加のお金が必要で、いつまでも選ばれずに流れていったタイルには追加のVPが載る、というのをシンプルかつ視覚的に表現しています。
アクションタイルのピックを全員16回行なったらゲーム終了ということで、プレイ時間は固定されています。序盤は何を選んでも資源などはちょっとしかもらえないので、これ16回繰り返しても何も残らなそうな雰囲気で始まりますが、ゲームの進行とともにアクションの効率もよくなってどんどん加速していきます。
得点源はいくつかのジャンルがあって、特化することで得点効率も上がっていく系のよくあるシステムですが、思ったよりは手数に余裕があって、1つのジャンルを突き詰めるというよりは、天井に到達するジャンルをいくつ作れるかで勝敗決まるというバランス。これもう少し手数とプレイ時間減らした方がよいように思います。勝ち。