フロストヘイヴンルール差分

グルームヘイヴンとフロストヘイヴンのルールの変更点の解説です。
元ネタはこのへんです。
ジョーズオブライオンで変更されて、フロストヘイヴンでもそのまま適用されているものも記載しています。
ジョーズオブライオンで変更され、フロストヘイヴンで元に戻されたものは記載していません。

マップとシナリオ

射線

GH ヘクスの角から角に、壁に触れない線が引ける
FH ヘクスの任意の点から任意の点に、壁に触れない線が引ける

どちらも壁には「閉じたドア」を含みます。
グルームヘイヴンには、(6つの角すべてが)壁に囲まれた幅1ヘクスの通路にはどこからも射線が通らない、という不具合がありました。一応、そのようなマップにならないようシナリオ設計時に配慮されていることにはなっているはずですが、ごくまれに隣のヘクスの敵を攻撃できない例が発生していました。
フロストヘイヴンでは自然なルールに変更されました。普通は角に加えて中心点を見ておけば十分だと思います。

GH 攻撃と、射程を持つ能力は、射線を必要とする
FH 対象をとるすべての能力は、射線を必要とする

グルームヘイヴンでは、射程無制限の能力(「任意の味方をヒールする」など)を隣の部屋から壁越しに使用できていました。フロストヘイヴンでは、壁越しに使用できる能力は「射線にかかわらず」のように明示的に指定されています。

空のヘクス

GH 空のヘクス: フィギュア・トークン・タイルのないヘクス
例外: 目標トークン、廊下、圧力板、空いたドアがあるヘクスは空
FH 特徴のないヘクス: タイルのないヘクス(廊下、圧力板、空いたドアを除く)
占領されていないヘクス: フィギュアのないヘクス
空のヘクス: フィギュア・タイルのないヘクス (トークンはあってもよい)

一番大きな違いは、コイン(戦利品)のあるヘクスにモンスターが召喚・発生するようになったことでしょう。

隣接と占領中のヘクス

GH コマが占領中のヘクスは、そのコマに隣接していない。
FH 自分が占領中のヘクスは、自分に隣接しているとみなす。

オーバーレイ操作能力(罠、危険地形、障害地形などの配置や除去)で自分の足元にタイルを置くことができます。例えば「隣接する特徴のないヘクスに危険地形を置く」能力ならば、自分の足元にタイルが置かれていなければ危険地形を置けます。ただし「隣接する空のヘクスに罠を置く」能力の場合は、今いるヘクスは自分の存在によって「空のヘクス」でなくなっているので、自分の足元に罠は置けません。

その他

GH 戦闘任務を2枚ずつ配り、1枚を選ぶ
FH 戦闘任務を3枚ずつ配り、1枚を選ぶ
GH モンスターが足りないときは近い方を優先
FH モンスターが足りないときはエリートを優先
GH 危険地形のダメージは(L+2)÷2 (端数切り捨て)
FH 危険地形のダメージは1+(L÷3) (端数切り上げ)
罠ダメージは(L+2)で変更なし

戦利品とアイテム

ドロップ

GH 召喚・発生したモンスターはコインを落とさない
FH 召喚・発生したモンスターも戦利品を落とす

ジョーズオブザライオンですでに変更されていますが、初期配置なしでモンスターがわらわら発生するシナリオでも収入があるのはありがたいです。

略取したアイテム

GH 略取したアイテムはシナリオ終了後に獲得する
FH 略取したアイテムは直ちに獲得し、そのシナリオ中はアイテムの保有制限に数えない

これもジョーズオブザライオンで変更済みの箇所。

移動とアクション

押し出しと牽引

GH キャラクターの押し出し・牽引能力は、可能ならば指定されたヘクス数ちょうどで実施する必要がある
FH 指定された数以下の任意のヘクス数を押し出し・牽引してよい

能力をキャンセルして全く押さないことにしない限り、押せる空間があるなら障害物等を避けて最大限押す義務があったのですが、条件が緩和され、途中で止めてよくなりました。モンスターは従来どおり可能な限り押してきます。

モンスターが複数の標的を選ぶとき

GH 最初のフォーカスに対して不利を得ることなしに、最大数の敵を攻撃する
FH 最大数の敵を攻撃する(たとえ不利になるとしても)

特に遠距離攻撃の場合、最初にフォーカスした敵に接触して不利をもらわない限り攻撃対象を増やせない、というケースに影響があります。
従来は不利を避けることを最優先していましたが、フロストヘイヴンではまず攻撃回数を最大化し、その中で第1ターゲットへの不利を回避できる場所があればそこへ移動します。

不可視

GH 不可視の敵は障害物とみなし、飛行やジャンプを持たない限り移動を妨害する
FH 飛行やジャンプがなくても、不可視の敵を通過できる

不可視能力の一番効果的な活用方法だった、不可視になってからドアを開けてそのままそのドアを塞いでモンスターが部屋から出てこないようにする、という使い方ができなくなりました。

移動0

GH 実際に移動しなくても、移動能力を使用したことになる
FH 移動しない場合、移動能力を使用したことにならない

移動に何か追加効果が付随する場合、全く移動しなければ追加効果も発動しません。攻撃などの他の能力との整合性を取ったのだと思います。ただし、移動2以上あれば往復して同じ場所に戻ってくることが可能なので、危険地形を除けばあまり影響はありません。

物標

GH 物標のルールなし (「HPを持つ障害物」だった)
JL 物標は障害物のように移動を妨害する
FH 物標はフィギュアとみなし、かつ障害物のように移動を妨害する

二転三転してる物標のルールですが、キャラクターの敵で、すべての負の状態と強制移動を無効化し、イニシアチブ99で何もしないフィギュア、と明確化されました。シナリオによっては味方の物標が登場することがありますが、ジャンプなどがない限り移動で通り抜けることはできません。物標は敵フィギュアですがモンスターではないので、HPを0にしても「死亡」せず代わりに「破壊」され、戦利品を落とすこともありません。負の状態ネガティブコンディションは無効ですが、負の効果ネガティブエフェクトが無効とは書いてないので、一部のクラスの固有状態異常は通用すると思われます。(例えばアングリーフェイスのDoomは、現在は公式FAQで障害物には無効と裁定されていますが、グルームヘイヴン2版では物標に通用できると明確化される予定になっています。)

モンスターによるエレメントの消費

GH モンスターがアビリティを実行できない場合、そのアビリティに結びついたエレメントの消費は実行されない
FH モンスターがアクションの一部でも実行した場合、実行できなかったアビリティに結びついたエレメントも消費される

例えば「移動2 / 攻撃2 (土を消費して攻撃+2)」のような行動カードを引いた時、気絶などで完全に何もしなかった場合はエレメントの消費はありません。
移動はしたけれど範囲内に敵がいなくて攻撃を行わなかった場合、効果はありませんが、エレメントを消費します。
ルールの単純化の一環だと思いますが、いざというときに使うつもりのマナが吸われる危険が増えてしまいました。

その他

GH ジャンプの移動先が困難地形の場合、移動2を消費する
FH ジャンプの移動先が困難地形でも、移動1しか消費しない
GH 召喚獣が狙いを設定できない場合、何もしない
FH 召喚獣が狙いを設定できない場合、召喚者を狙って移動できる
GH 障害物の真上で飛行を失った場合、罠ダメージを受ける
FH 障害物の真上で飛行を失ってもダメージはない
GH アイテムの使用回数が残っている場合、長い休息では回復しない
FH アイテムの使用回数が残っていても、長い休息で使用回数を回復できる
GH 他のフィギュアに移動や攻撃の能力を付与する場合、コントロール者の明記がなければ付与された側が行動を決定する。召喚獣はモンスターAIに従う。
FH 他のフィギュアに移動や攻撃の能力を付与する場合、召喚獣かNPCが対象なら付与者が行動をコントロールする。

有利と不利

有利/不利と連続修正

GH 有利の場合、修正カードを2枚引き、強い方を適用する。どちらかが連続修正なら、両方を適用する。両方とも連続修正なら、連続修正以外を引くまで引き、すべて適用する。
FH 有利の場合、連続修正以外を引くまで修正カードを引き、さらに1枚引く。最後のカードは連続修正でも無視して通常のカードとみなす。すべての連続修正を適用し、最後の2枚のうち、好きな方を適用する。

不利のときはこの逆。アークライトのページの説明が詳しいです。旧来のルールの場合、連続修正を増やすとnullが発生しやすくなって期待値が下がる、という欠陥がありました。新ルールでは呪いを突っ込まれて2連続でnullを引かない限り、有利なときにnullで0ダメージになる可能性はありません。
また、有利のときは、どちらのカードを適用するか自由に選ぶことができるようになりました。不利のときや、モンスターが引く場合は従来と同様に強いまたは弱い方、あいまいなら先に引いた方です。

キャンペーン

新しいキャラクターの作成

GH 新しいキャラクターは繁栄度のレベル(L)で開始できる。(L+1)x15金持ってスタート
FH 新しいキャラクターは繁栄度(P)÷2 (端数切り上げ)のレベルで開始できる。(Px10)+20金でお買い物、お釣りは消滅

いきなりレベル9とかにはならなくなりました。初期でお買い物できる装備がイマイチ微妙なもの揃いなのが寂しいですね。正直どのクラス作ってもヒーターシールドとポイズンダガーの組み合わせ一択な感じがします。最初のシナリオでは死ぬ気で戦利品拾う必要がありそうです。

カジュアルモード

GH 開放済みのシナリオを条件によらずプレイできる。XP・GP・宝箱・バトルゴール・パーソナルクエストを取得・達成可能。シナリオ報酬は不可。イベントは発生しない。
FH 開放済みのシナリオを条件によらずプレイできる。XP・GP・宝箱・バトルゴール・パーソナルクエストを取得・達成できない。キャンペーンには一切影響しない。カレンダーは経過しない。イベントは発生しない。カジュアルモードではなく、キャンペーンの一部としてクリア済みのシナリオを再プレイしてもよい。

カジュアルモードの定義が変わりました。取り残しの宝箱を回収しに行く場合は、カジュアルモードでプレイするのではなく、通常のキャンペーンの一部としてカレンダーを1週間進めて同じシナリオを再プレイする必要があります。