7/12は某所でML.Kの裏例会がありました。参加者3人。
国富論(TableStar Games)・On the Underground (JKLM)・Through the Ages (CBG)をプレイしました。
国富論は各自1国を担当し、現金と資源をやりくりしながら資産を増やすゲームです。ヘックスボードに産業施設を表すタイルを置くシステムが少し工夫されていることを除けば、ごく普通の経営ゲーム。ランダム要素は一切ありません。
コンポーネントが大変よくできています。特に各プレイヤー用のサマリーシートは、それ1枚を見るだけでゲームのすべてのルールが理解できるほどのすぐれものです。
資源をうまく運用して拡大再生産をめざすのですが、タイルを置くにも置いたタイルから新しい資源を算出させるにも何がしかの資源が必要になっていて、足りない資源を市場から買うと価格が上昇し、逆に生産した資源を市場に売ると価格は下落します。このため、やみくもに自国を発展させても自給できない資源が高騰するばかりで、自分の産出物の価格は低迷してしまいうまくいきません。
N田氏が巧みな供給量コントロールで電力の価格と独占状態を維持して勝利しました。僕は借金しまくりで序盤から高価な資源の量産を目指したのですが、運転用資源の購入費と借金返済分のロスがたたり及びませんでした。
巷の評価高い割に近所では全然プレイされていないOn the Underground。ロンドンに地下鉄を引くゲームです。ボード上に1個置かれた乗客がカードの指示で右往左往し、自分の手番がまわって来たときは盤面の状況が全然変わってしまうので、人の手番に作戦立ててもしかたがないという難点はありますが、全体的には軽くよくできた列車ゲームです。
ひたすら乗客の移動先を追って1路線で蛇行した線路を引いたのですが、これがあまりよくなかったらしく最下位。3人プレイだと3路線持てるのでうまく使い分けて路線の配置による勝利得点もきちんと稼いでおかなければならなかったようです。
BGGで上位ランクインのThrough the Ages。民族同士で文明の発展を競うというテーマ的にはよくあるゲームです。地政学的な要素は完全に省かれており、ひたすら資源の再生産と技術の開発を繰り返します。プレイ時間と使用するルールによってシンプル・上級・フルゲームの3種類から選べるのですが、最初からフルゲームで。フルゲームは古代から現代までを網羅しています。
ルールやカードごとの特殊効果が多いので仕方ないと言えば仕方ないのですが、コンポーネントはあまりよくできていません。ルールの記述もやや不親切なので英文ルールを精読しないと正しいルールではプレイできないと思います。
例えば、各文明は技術を開発するために科学値というポイントを蓄積するのですが、
・ゲームボードでは「蓄積済みの科学値=電球のアイコン」「1ターンあたり蓄積できる科学値=電球のアイコンと+記号」
・アクションカードでは「蓄積済みの科学値=電球のアイコン」
・テクノロジーカードでは「1ターンあたり蓄積できる科学値=電球のアイコン」
・イベントカードでは「蓄積済みの科学値=Science Points」「1ターンあたり蓄積できる科学値=Science Rating」
・ルールブックでは「蓄積済みの科学値=Science Points」「1ターンあたり蓄積できる科学値=Science」さらにボードと同じアイコン
と見事に表記がバラバラです。ちょっとデザイナーの正気を疑いたくなります。
また、同じトークンでも置かれている場所によって機能が変わるのはルールシステム的には洗練されているのですが、それに応じてトークンの呼び名が変わってしまうのが混乱に拍車をかけています。
一通りのルールを飲み込めば基本的なシステムはそれほど複雑ではありません。フルゲームで6時間近くかかりますが、文明発展ゲームは基本的に重量級が多いことを考慮すれば水準以上のできだと思います。
ゲームの勝敗は文化ポイント(=勝利得点)の大小だけで決まるので、序盤からエッフェル塔や活版印刷など文化ポイントの得られる雅な技術を重点的に開発してみました。最後は映画とプレスリーで大量得点して大差勝ち。軍事面は完全に手抜きしたので20世紀になっても古代歩兵のままでした。今回は戦争系のカードがほとんど使われなかったので無事だったのですが、この手の攻撃による成功時のリターン(ともちろん敗北時のペナルティ)はかなり大きそうなので次からはこうは行かないでしょう。